『田園の詩』NO.97「一期一会の食事会」(1999.5.4)


 知事・県議選が終わって、いよいよ統一地方選挙の最終ラウンドとなる町長・町議選に
移りました。初日から、何度も選挙カーがやって来ては候補者の名前を連呼していきます。
田舎の人は律儀なもので、そのつど外に出て手を振っています。

 ところで、『選挙の年はタケノコが豊作になる』という言い伝えを耳にしました。誰が、
いつ頃から言い出したのか知りませんが、わが家の竹林にはそんな傾向はありません。
生命力の強いタケノコは、毎年≪豊作≫です。ただ、イノシシに荒らされて≪不作≫に
なることは最近よくありますが…。

 今年も4月早々より取れ出して、この2、3日の雨でピークを迎えました。私達が『タケ
ノコ外交』と名付けている行事も無事に完了出来そうです。タケノコを届けた時、「初もの
です」といってもらえるのがうれしくて、毎年、外交を続けています。

 好物の季節の食材が1年ぶりに巡って来て、その≪初もの≫を口にする時ほど至福なこ
とはありません。反対にこれが今年の≪仕舞もの≫という場合もあります。さらに、≪年に
1回しか食べることができないもの≫もあります。

 先日、そんな食材でテーブルの上を満たしての食事会をしました。まず、この日登場した
≪初もの≫は、ワラビ、新タマネギ、グリーンピース、スナック豆(さやごと食べられる
≪あまいえんどう≫)などです。

 ≪仕舞もの≫は、今まで保存しておいた山芋と、その山芋入りの手打ちソバです。これで
そば粉も全部使いきりました。

 さて、≪年に1回きりの食べもの≫とは、タラの芽とウドのことです。これらは乾燥や塩
漬け保存には向かないので、今食べるしかないのです。また、最近では山奥でも見つける
ことが困難になり、方々歩き回っても一食分しか取れません。


       
      山菜に詳しい方は分かると思いますが、手前がウド、奥がタラの木です。
      いつでも 収穫できるように、裏の畑の傍に、山から持って来て移植して育てています。
                                   (09.8.29写)


 メンバーはいつもの2組の夫婦と1名の知人、私達夫婦の計7名です。≪初もの・仕舞
もの≫の他に沢山の山菜が並んだ、まさに一期一会の食事会は、お酒も進み、夜遅くまで
大いに盛り上がりました。                (住職・筆工)

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